恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
バルコニーから、中に入った。


「やっぱ、外は寒いな」


「煙草吸ってたのばれたら、母さんに
怒られるぞ」


「吸っちゃまったら、こっちのもんだろ」


「俺、知らねぇから」


女の子をナンパしている奴がいた。

そこに、雫ちゃんの姿が!


「おい、あれ、誰か、止めさせろ」


「酷すぎ」


「困っているじゃないか」


直ぐに体が動いていた。


「おい」



「なんだ、お前」



「郁磨さん!」


怪我とかはしてないな。


「なんだ、俺に指図するのか」


「雫ちゃん、こっちおいで」


雫ちゃんはこっちに来た。


「おい、お前、こっちにこい」


雫ちゃんに触ろうとしたその手を
掴んだ。


「汚ねぇ手で触るな」


掴んでいた手を離した。


「お前、俺を誰だと思っている」


「そんなの知るか!
親の影でこそこそしている奴なんか」


「ぼ、僕は、知ってるぞ。
片桐ギャラリーの跡継ぎだ。

僕のお父さんに頼めば、どうにでも
出来るんだぞ」


「お前、人の話を聞けよ。
その事を言ったんだろ。

親に尻拭いしてもらってばっかガキが
ビービーほざくな」


物分かりの悪いガキだな。


「だったら、そこの女こい。
雫と呼んでいたよな」


俺は、その時、そいつに、
足で壁ドンをくらわせた。


「その口でこいつの名前呼ぶな」


「彼氏は居ないと聞いている。
彼氏でも無いなら、でしゃばるな」


こいつ、ムカつく。


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