恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
「あのなぁ……」


「貴方こそ、でしゃばって来ないで下さい。
女の子に嫌がることばかりして嫌われますよ。

私は、貴方が嫌いです」



雫、ちゃん。


「私が好きなのはこの世でただ一人
郁磨さんです。

困ってる人を放って置けない正義感に
溢れた人を、何も知らない貴方なんかに
貶されたくない」


「雫ちゃんは、お前のことが嫌いらしい。
まだ此処に居たいか?」


無言で立ち去ろうとした。


「まだ、雫ちゃんに謝ってないだろ。
そんなことも出来ないのか」


「悪かった」


「あと、俺の女に手を出すな」


そういうと、そいつは、去っていった。



雫ちゃんを見ると震えていた。


「大丈夫、大丈夫、もう安心だろ」


「郁磨さん」


少し泣いていた。
怖い思いをしたんだろう。


思わず、抱き締めていた。
壊れないようにそっと優しく。


好きな子にあんなこと言われたら、
もう俺も言わなくちゃならない。


「雫、好きだよ」


雫ちゃんは、顔を赤らめながら。


「私の方が郁磨さんの事、大好きですから」

「可愛い過ぎだ」


また、顔も耳まで真っ赤になった。


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