不良にならなきゃ★始まらない?!
ガサガサ…
琉聖くんが、帰りの支度を始めた。あの
まだまだ授業は、終わりませんけど?
『…あっ』
ヤバイ、目が合った。ニヤリと笑う琉聖
くん。ああ、カッコイイなあ。って、私
どうしたんだろ?病だ!病だ!
病は気からって言うし、授業に集中しな
くっちゃ!
「今日は、ここまで!!」
って、ええっ?!終わっちゃったよー。
でも、私が悪いんじゃないもん。琉聖く
んがカッコイイから悪いんだ!!
「一華、さっさと行くぞ」
『え、は、はいっ!!』
琉聖くんは、すでに準備万端。
『先行ってて!』
「早くこいよ!」
まだ、前の授業の片付けさえできていな
い私は、慌てて準備した。いよいよだ!
そう思うと、だんだん緊張してくる。
荷物を乱暴にカバンに詰め込むと、琉聖
くんの後を追った。ちゃんと、声出せる
かな?演技はバッチリ覚えたけど、昨日
はあんなに楽しみだったのに、当日にな
ったら、めっちゃ緊張してきた。
急いで教室を出ようとすると、クラスメ
ートに呼び止められた。
「一華、男の人が待ってるよ」
『え?男の人?!』
誰だろ?まあ行けば分かるか。知らせて
くれたクラスメートに挨拶すると、私は
その人が待ってる場所へと急いだ。