寵愛の姫 Ⅰ






輝くネオン。




騒がしい繁華街。





眠らないこの夜の街の片隅で、今日も何時もの定位置にぼんやり座って、私は人の波を見つめてた。







途切れる事のない人混みに目を細めて見つめる私の頬を、春風が撫でていく。







「ねぇ、君1人?」



「…………。」






肩を叩かれて振り返れば、チャラそうな風貌の男が立っている。







「おっ、やっばり可愛い。」



「……、」







男の呟きに、私の眉間の皺が寄った。



< 3 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop