寵愛の姫 Ⅰ
「ずっと可愛い子がいるなーって見てたんだ。」
「…………。」
あぁ、ただのナンパか……。
…………面倒だな。
げんなりと、深々と溜め息を吐きたくなる。
「待ち合わせとかじゃないみたいだし、どう?もし暇なら、これから俺とどっか行かない?」
そんな私の変化にも気付かないナンパ男は、べらべらと喋り出す。
「…………。」
煩わしい男に対して、冷めた目を向けた。
正直言って、こうやって話し掛けられるのは迷惑だ。
……不快でしかない。