寵愛の姫 Ⅰ【完】




「…いや、もう一件だけ行く所がある。」


「何を買うの?」


「携帯電話。」


「ふーん。」



携帯電話と聞いて興味を無くしたのか、莉茉の視線が人形へと戻ってしまう。



「興味ないのか?」


「何が?」


「携帯。」


「ないよ。」



首を横に振った莉茉。



「何でだ?」


「必要ないから。」



きっぱりと莉茉は言い切った。
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