寵愛の姫 Ⅰ【完】



「叶。」


「……は、い。」


「お前に彼女の幸せを奪う権利はない事を覚えおけ。」



俺からの警告。



……忘れるな、叶。



「叶、例え相手がお前でも暁さまや莉茉さまの邪魔になるなら、俺は容赦なく潰す。」


「っ、」



叶が息を飲む。



「――――警告はしたぞ。」



呆然と立ち竦んだ叶をその場に置き去りにして、俺はもう振り返る事なく、背を向けた。
< 353 / 381 >

この作品をシェア

pagetop