寵愛の姫 Ⅰ【完】
「…………?」
ゆっくりと振り返る莉茉。
「…あっ、昨日の…。」
俺を見て、驚いたように莉茉は目を丸めた。
「……」
そんな莉茉に俺は目を細める。
正直、女なんて生き物は見慣れた存在だった。
俺のブランド目的に近づいて来る奴等が大半で、後は打算やステイタスを上げたいが為。
誰が、そんな女に本気になる?
それなのに、俺の中での莉茉の存在は、特別、
…………だったように思う。
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