Dilemma
放課後
今日は改生労働会記念すべき第1回目の活動日。

部員たちの気合いは全く入っていないが、3人は部室棟へと歩いた。



昨日掃除したばかりの部室。
埃が乗っていたドアノブも、しっかりと雑巾で拭き取ったのでピカピカだ。
ドアの窓には『改生会 お悩み・依頼24時間365日受付中!!』と書かれたポスターが貼ってある。


「…誰これ貼ったの」

「あ、ウチやで。よく書けてるやろ?」

「バカヤロー!何で部員の似顔絵とキャッチフレーズを書かなかった!!」

「ああ、ごめんな。ウチ絵描くの苦手で…」

「超どうでもいい!!」

というか『24時間365日受付中!!』はスルーの方向なのか。

ドアの前でボケ&ボケのコントを始め、なかなか中に入らない二人を「ほら、入って入って!」と中に押し込む。


「ほぉ~ちゃんとした部室になってるやん。よろしいよろしい。」

「でしょー?昨日頑張って掃除した甲斐あったね志暢」

「ふん…まぁ悪くはないな。」

「ただ、ちょっと物が少なくて寂しい部室やな。」

それもその筈。
現在部室には長机と椅子と棚、そしてロッカーしかない。
大きめな窓があるが、それでもやっぱり地味だ。

といっても、大体どの部活の部室もこんなもんだとは思うが。

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