Dilemma
第3刻・盲信少女は闇色の夢を見るか
「…えっと…一年の河森茉夏です。この間は助けて頂き本当にありがとうございました。」

改生会記念すべき一番目の依頼者。
一年三組河森茉夏

この間の騒動の原因となった生徒だ。


「本当、怪我が無くて良かったよ。」

そう言いながら愛梨は河森の前にコトリ、とお茶を置いた。

ちなみにこれはこないだ3人で話し合った結果、部費で買った電気ケトルで入れたお茶だ(棗はとても満足そうな顔をしていた)。

河森はそれを嬉しそうに手に取り、ふーふーと冷ましてからゆっくりと飲んだ。


「あれから猫はどうだ?」

志暢はおやつで出した煎餅をバリバリと頬張っている。
喉を詰まらせないように、と志暢の前にもお茶を置いた。

「落花生ちゃんですか!?」

猫のことを触れられて嬉しかったのか、河森は椅子から身を乗り出した。

目をキラキラさせながら答える。
「落花生ちゃんは元気ですよ!元気過ぎて頭の中がフライアウェイです!」

「…すまん愛梨。ちょっとコイツの言葉を直訳してくれないか。」


「大丈夫、これは日本語だよ。それよりも猫の名前は全スルーの方向なの?」


あ、やっぱコイツ頭弱いわ。と志暢たちは改めて認識した。

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