Dilemma
「そういえば…あのワカメ天パさんは今日はいらっしゃらないんですか?」
「河森、お前それアイツの目の前で言ってみろ。殺されるから。」
失礼過ぎるだろ、と志暢は茶化す。
「棗なら諸事情で今日はお休みだよ。何か天命が来て今日は外出するな、ってお告げがあったとか。」
「要するにサボりか。」
ズズッと志暢はお茶を啜った。
「それで?今日は何の用なんだ?まさか礼を言うためだけって訳じゃねぇんだろ?」
「はい…そうなんです…けど」
「?」
河森は途端に言いずらそうに俯くと、チラリと愛梨を見た。
「高蔵…先輩」
「何だよ?」
河森はガバッと顔を上げて叫んだ。
「私とデートしてください!」