Dilemma
「…えーと?」

河森の爆弾発言に一瞬部室の空気はフリーズした。
が、志暢がついに沈黙を破った。

「…それは一体どういう…?」

「だから!私とデートしてください!お願いします!」

「…………」

志暢に助けを求めるかのような視線を向けられるも、見なかったことにした。


「…あのな河森。…お前にはそう見えないかもしれないが私は一応女なんだ。だから…」

「あっ間違えた!私と付き合って下さい!」

「いやもっと悪化した!!」

「私にも先輩が女の子に見えますよ!そう…先輩がまな板で谷間が出来たこと無くても!」

「マジで殺してほしいのかお前!」


どんな言葉もこの少女の耳には届かないらしい。

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