Dilemma


「えっ先輩って一人暮らしなんですか?」

「まぁな…」

帰り道、志暢は他愛もない話をしながらナッツを家まで送った。


「…っつーことでな、結局部費でエアコンとか買ったんだ」

「じゃあ一年中快適に部活動できるってことですね!羨ましいな~」

結局2人は部費の話に戻っていた。
余程話すネタがないらしい、この2人。


「私としては生徒会と部費を懸けて熱いバトル!!のほうが面白そうだったんだけどな~生徒会長とバトルとか王道的展開だろ?」

「………………」


「どうかしたのか?」


さっきまでニコニコと微笑んでいたナッツがいきなり黙りこみ、不審に思った志暢が声をかける。


「…えーと」

「…なんだよ?」

「…存在しないらしんですこの学校」


何が、と志暢は問いかける。

「…生徒会長は存在しないんです。」







「…ってことなんですよ~動き始めてますよ、やつら。」


月夜の下、生徒会庶務・西谷は陽気に笑いながら報告をしていた。


「…どうしますサターンさん?」


「関係無い。学園に不利益なものは排除するのみ。…ただそれだけのこと。」


生徒会執行部副会長・城土は冷たく言い放った。


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