もっと、君に恋していいですか?
薫と志信は、ひと休みしようとアイスコーヒーを買って海の見えるベンチに腰を下ろした。

たくさんのカップルや家族連れが楽しそうに通り過ぎる。

はしゃぐ子供たちを追いかける父親の姿や、小さな子供を抱く母親の姿に、志信は未来の自分と薫の姿を重ね合わせた。

(家族かぁ…。いつかはオレも、薫とあんなふうになれたらいいな…。)


二人でアイスコーヒーを飲みながら、キラキラと遠くに輝く波を眺めた。

「水族館なんて何年ぶりだろう?」

「オレも久し振りだ。」

薫は前に水族館に行ったのはいつだっただろうと考えた。

「私、子供の頃に家族で行ったのと、あとは学校行事くらいでしか、水族館って行った事なかったかも知れない。」

「そうなの?デートとかでは行かなかった?」

志信に尋ねられて、薫はまた記憶の糸を手繰り寄せる。

「ないね。水族館デート、初めて。水族館デートが初めてって言うか、デートらしいデート、した事なかったから。」

「え?なんで?」


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