【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
慌てて話を切り替える。
結局どうする?なんて自分から聞いてしまった。
だけど琉衣くんは私を見て眉をひそめたまま。
「帰る」
「えぇっ…!」
思いがけない返事に驚いた声を出してしまう私。
だけど明らかにこれは帰る方向に向かってないような…
もしかして今ので機嫌を損ねちゃったのかな…?なんて、不安になったのもつかの間。
琉衣くんは急にププ、と吹き出した。
「…え、え、なんで笑うの!?」
「フッ、だってお前今俺が帰るっつったらすげー顔したろ。
そんなに帰んの嫌なの?」
…ドキッ。
「ち…違っ!//そうじゃなくて…琉衣くん駅と逆方向に向かってるし、どこか行くつもりなのかと思ってたから…」
「別に。なんとなくだろ、そんなん。
こっちからでも帰れるし」
あ……。
そうか…そうだよね…。
私はなにを期待してたんだろう。
まだ帰りたくないなぁなんて思ったのが間違いだった。
琉衣くんはそんなこと思ってるはずがないよね。
「そ…そっかぁ…」
「ウソ」
「えっ!?」
「…ぷっ。
バーカ、帰んねぇよ」