懲りもせず、恋する私
騒ぎをよそに、
販売促進室の自分のデスクに座り
パソコンの電源を入れた。

mailboxの中を確認し、
RE.
返信を幾つか行った。

やりかけの、夏向けのルージュと
ボディークリーム、
幾つかのパッケージデザインを
比べながら
色合い、何より使用感を含めて考えていた。
午後から
試作品の
仕様した感想や問題点の会議がある。

私が、ようやく形にした商品。
なんとか、採用されて世に出て行って欲しいと。願う。

統括部長が声を上げた。

「皆んな!ちょっといいか?本日付けでここの、課長をしてもらう。
藤倉 翼君だ。」

「皆さん、今日から課長を務めさせていただきましす、藤倉です。歳は、28歳。よろしく」

「藤倉君、勝手がまだわからんとおもうから…そうだなぁ。今度新商品を出す予定なんだが、開発プロジェクトのメンバーの方が都合がいいだろ。」
「はい、出来たらそうして頂けると
助かります。」
「うん、では、おっ!佐伯!お前
暫し、藤倉についてくれ!」
「はぁ??」キーボードを叩く手が
止まっしまった。

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