ある時俺の青春はやってきた~リメイク~
翌日

「大して用もないけど、てきとうに廊下をぶらぶらしようかな…」

凛のクラスに行くことはもうやめにした。行ったところで何も変わらないし、むしろ虚しくなってくる。

廊下に出ると、いつものごとく女子たちが群がって話している。

邪魔だな…。

と、そのとき。
凛が1人で廊下を歩いていた。見たところ、こちらに向かって来ているようだが…。

「あ、凛。やほー」

「…」

「…え?」

凛は返事をしないどころか、私に見向きもしなかった。
予想外の反応で自然と後ろを振り返ってしまった。

けど、見えるのは凛の背中だけ。

どうして?去年だったら必ず返事してくれた。実際そうだったのだ。
いや、もしかしたら聞こえなかったのかもしれない。

けど、あの距離で?たったの数メートルしか離れていなかったのに?

心が不安でいっぱいになり、私はそれを振り払うように階段を全速力で駆け下りた。

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