真実の愛のカケラ
11時。
いよいよオープンの時間を迎えた。
有名フレンチレストランの系列ということだけあり、外には長い列ができていた。
女性同士やカップルや、子どもを連れたママ友。
扉が開かれると、続々と中に入っていく。
ベビーカーもつまづくことなくすんなりと進む。


初日は大盛況だ。


やった!


そんなレストランを眺めながら、小さくガッツポーズをする。
このためだけに会社を抜け出してきたから、即行で帰らなきゃいけない。
じゃないと、福井からの催促の電話がかかってきてしまう。


この景色を目に焼き付けて、軽い足取りで私は会社へと戻った。
< 100 / 240 >

この作品をシェア

pagetop