真実の愛のカケラ
初デート
平日は道も混んでなくていい。
飲食店関係は土日に休みが取れないなんて嘆く奴もいるけど、平日に休みを取れた方が何倍もいいと俺は思う。


「はい、あーん」


そんな声と共に隣から差し出されるお菓子に、口を開く。


運転中にお菓子を食べるなんて、以前の俺では絶対に考えられないことだった。
しかも食べさせてもらうなんて。
なのに、今は当然のことのように口が開いている。


完全に柚希の放つ空気に飲み込まれているんだ。


「あ!見えてきたよ!」


一際弾んだ声。


柚希の指差す方向に目をやると、そこには目的地が見えていた。
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