真実の愛のカケラ
目撃者
最近は出勤するのが楽しい。
特に今日は機嫌が良い。


受付嬢の2人にも愛想よく挨拶をしてオフィスに向かう。
この人たちが拓哉を狙ってるのは知ってるけど、今日は咎めないであげよう。


そんなことを、胸ポケットに刺さったボールペンのチンアナゴを揺らしながら思う。


オフィスにつくと、美和を見つけて声をかける。


「昨日はごめんね。
ご飯誘ってくれたのに行けなくて」


「とんでもないですよ。
急だったし。
また行きましょ!」


「うん、行こうね」


昨日の夜、美和から電話でご飯に行きませんか?と誘われたけど、拓哉とのデートの最中で断ってしまった。
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