真実の愛のカケラ
大体、受付嬢になった時点で外見の美しさは認められたも同然。
副社長だって絶対に落とせると思ったのに。


会社の人間とは付き合わない、なんて…そんな勝手なルールでフラれることが私の人生にあっていいはずがない!


どうやら、他の受付嬢も玉砕してるみたいだし、他の会社の身の程知らずも相手にされてないらしい。


このままだと、そんな惨めな女たちと一緒になってしまう。
そんなこと、私のプライドが絶対に許さない…!


何としてでも副社長に近づかないと。



…あれ?
これって……。


カウンターの上にポツンと置いてあるのは黒い携帯電話。


これ、福井さんの…だよね?


手にとって、こっそりと起動させる。
画面にロックはかかってない。


福井さんが戻ってくるかもしれないけど、考えてみればこれはチャンスよ。
きっと神様が私の味方をしてくれてる。


なら、動くしかない。
急いで電話帳を開いて、副社長の番号を探す。
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