真実の愛のカケラ
でも、そんな時に見かけたのが柚希。


ベランダに出ている姿を見て呆気にとられた。
おい、それ見られても大丈夫な姿なのか?と言ってやりたかった。
しかもそれが外出時には、きちんとした女性の姿になってるんだから驚きだ。


最初は見ているだけだったが、その飽きのこない人間性にどんどんハマっていった。


付き合いだしてからも、部屋の状態や生活リズムに驚かされた。
きちんと正しい生活をしつけられてきた俺にとって、柚希は概念を越えた存在だった。


だけど、そんな柚希の隣が心地良いと感じている自分に気付いた。
よく笑って時々怒って、自分をそのまま表現する柚希につられて、俺は俺らしくいることができた。


小さい頃から完璧な人間を目指すべきだと思っていた。
誰から言われた訳ではないけど、そうするべきだと。


そして社会人として、一企業を担う人間として、弱味につけこまれるようなことはあってはならないと。


片時も離れなずにまとわりついていたそんな考えが、柚希と出会ってから簡単に剥がれ落ちた。


時々、突拍子もないことをするから、なに考えてるのか頭を悩ます時もあるけど、それすらも楽しい。


ただ、今まではアパートの一室。
今日からは会社の会議室。


嫌でも緊張の糸が張り詰める。
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