キミの一番大切な人
大切な人.
「なあ、松川。」


「ん?どうしたの?」


「俺の好きな人とか


知ってる?」


そう言って顔を真っ赤にする隣の席の男の子。



彼の名前は中山蓮。




高校二年生になって、私に話しかけてくれた男の子が、中山くんだった。


隣の席だったってゆうのもあるんだけど。



まだ高校二年生一週目の今でも、仲良く話している。





「んー、知らないな


どんな人なの?」


授業中だから、小さい声で話す。

「いつも俺のこと気にかけてくれるやつかな。


あとは、優しくて、本当のお姉ちゃんみたい」


そう言った中山くんの顔はとても笑顔で。


いつも笑顔だけど、今の笑顔は、今までで一番素敵だと思う。



好きな人。か。


私にもやってくるのかな。


恋する日が。



私、松川理沙は今まで好きな人ができたことがない。


できないんだもん。



彼氏がいたらいいなっ


なんて思ったことだってある。


けど、好きだって想う人が現れないんだから仕方ない。


「そっか。その恋実るといいね。」


「んー、それは無理かもしんない。


俺の好きなやつ雛って言うんだけど



そいつ、三年間も付き合ってる彼氏がいるんだ。」
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