キミの一番大切な人
「…はははっ


まさかかぶるなんて思ってなかったよ」




「だよな


俺もびっくりしたよ」




二人の笑いはなかなかおさまらなかった



昔から、よく変なとこで笑うよねって言われることが多かった



だけど、安藤奏多くんは私と全く同じタイミングで笑い出した



…やっぱり、なんだか、打ち解けられるような気がする…


そう考えると嬉しくなった




二人の笑いがようやくおさまった



「あのさ、ずっと聞きたかったんだけど、俺、あんたのことなんて呼べばいいの?」



安藤奏多くんが私の顔を覗き込みながら言った




「えっと、私の名前松川理沙!




呼び方は適当でいいよ!」



「了解



じゃあ理沙でいっか


俺のことは奏多でいいから」



男子に下の名前で呼ばれることは、あんまりないから、少し嬉しかった


「了解!!


あー!もう本当にはじめ気まずすぎてどうしようかと思ったよ!」



「俺も


けど、普通に話せてよかったよ」




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