お隣さんと内緒の恋話

嫌な予感が的中し、雅の頼みを聞くことにしたが、同時に雅の味方をしたような気分で 葵に後ろめたさを感じた。


私もケガしてわかったけど、私には葵がいてくれたから…

彩香さんは雅くんにたよるしかなかったんだよね、きっと… たぶん。

そういうことにしておこう。


「 …椿、俺 」

葵!


玄関ドアをノックする葵、私はすぐに玄関へ行き開ける。


「 葵、いらっしゃい!」

「 いらっしゃいました?」


ぷっ、葵ってばノッたつもりかなぁ


「 おじゃまします… 何回来ても緊張するな 」


え、緊張?


「 葵、緊張してるの?」

「 するだろ、普通。彼女の家に しかも一人だし… 緊張するよ 」


そうなんだ、葵、緊張するんだ。


「 じゃあ、ドキドキもする?」


そう言った私を見る葵に、私がドキドキしてしまった。


「 …するよ。なぁ、先 飯作ろうぜ 」


えっ、私のドキドキの行き場は?

ちょっと ラブラブしないの?

ま、いっか。



「 何作る?」

「 ん~ 冷蔵庫と相談する 」


冷蔵庫と、相談するの?

やだ、葵ったら~ おちゃめさん。


葵はキッチンに行くと ピンクのゴムをポケットから取り出してキュッと結んだ。

そして、冷蔵庫を開けてしゃがみこんでいる姿を見ていて 私のドキドキはキューンとなった。


こういう葵も、好きっ。

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