お隣さんと内緒の恋話
一見 雅に見える葵を笑いながら見つめていると、葵に頭をコツンとされた。
「 笑いすぎだろ 」
だって~
「 ごめん、笑えるから… 似すぎで 」
「 兄弟だから仕方ないだろ 」
まぁね、そうだね。
雅と彩香を葛西から見つからないようにした私と葵が話している所を、彩香を探していた葛西が付近にいた。
私は葵といることで気づくわけもなく、今の葵は葵でなく、雅に見える。
偶然とは時に必然。
葛西が私と葵を見たら誤解が生まれる。
でも、私が今いるのは葵だ。
「 あ、れ… 上山先生?…と、織原か?」
しっかり見られているなんて、葵も最後まで気づかなかった。
ただ 私と葵は 夜に紛れて やっと キスを交わした。
「 ねぇ 葵、なんかバタバタなデートだったね 」
「 そうだな~ 雅と関わると こうなるよな… 」
ねぇ 葵…
今日 彩香さんが泊まってたら…
「 帰るか、明日またデートやり直しだ 」
葵は どうしてた?
「 うん、やり直しだね 」
私の家に… 泊まったかな?
「 何したいか 考えとけよ 」
そうだったら、私は…
「 葵となら なんでも!」
嬉しかったよ、ドキドキしてパニックしたかもしれないけど…
嬉しいよ、葵。
「 俺も、なんでもいいよ 」
「 それじゃあ、行き当たりばったりって どう?」
何かあっても、大丈夫なように。
手を繋いで 歩き帰る私と葵。
雅はどうしているかなんて もう考えもしない。