お隣さんと内緒の恋話
「 椿 心配させんな、頼むよ 」
「 葵… うん、ごめんね 」
大好きだよ、葵…
私は葵に寄り添うつもりで腕を伸ばすと、後ろから雅の車が戻ってきた。
「 雅だ…」
だね、なんてバツの悪い…
「 お、椿ちゃん おかえり。長い迷子だったなぁ 」
あ~はいはい、私が悪いわよっ
「 ごめんなさい、雅くんにまで心配かけて 」
「 いんだよ、無事ならね。心底 心配しただけだし、大したことないよ?」
悪かったってば!
「 ほんと ごめんなさい…」
「 雅、やめろ。椿、また明日な 」
私に優しい笑みを見せてくれる葵、その横で雅も笑顔で手を上げて また、と言った。
自宅に帰ったものの、一気に疲れが押し寄せてきた。
疲れたぁ…
あの絵茉って子、葵が好きなのかな…
学校のみんなは 葵をダサ男としか見てないから。
絵茉は 葵を昔から知ってるんだよね…
だけらって あんな気安く抱きつくなんて許せない!
私… まだムカムカしてる。
ヤキモチなんか妬いて…
また来たらどうしよう…
「 あーっ!グチグチもうやだ、来たら来たでいいじゃん、葵は私の彼氏なんだから!」
気持ちを切り換えようとシャワーを浴びて 緑茶を飲んでいると、携帯がメール着信を知らせる。
「 んっ、はいはい、誰かな~ なんだ、柚奈 」
柚奈からのメールを見てみると、柚奈が壮真とケンカしたとあった。
「 え、ケンカ!? いつも仲良しなのに… 」
気になり柚奈にメールしたが 1時間待っても返事がこないまま、私は寝てしまった。