お隣さんと内緒の恋話

「 椿… 」

なに… なんか、怖いんだけど…


黙ったまま突っ立つ葵に私は動けないままいると、葵が1歩足を踏み出した。



もしかして 怒ってる?

勝手に帰っちゃったから?

ま、まぁ、私が悪いよね… うん、悪い…



ジリジリと私に近寄る葵に 私は1歩も引くことが出来ずいると、足の爪先が30㎝ もないほど近づいた。


「 あ… あは、ただいま… 葵 」

「 椿… 良かった… 」


葵…

心配してくれてたの…


「 葵、私… 」

「 この、バカがっ!!」


いっ… ぎゃああっ めちゃ怒ってる!?


「 椿、なんで黙っていなくなった!絵茉か?絵茉がどんな奴か話も聞かずに勝手に帰りやがって…
どんだけ探して心配したか わかんねぇのか!
メールもなかなか返事こねぇし、どこ行ってたんだよっ 」


う、わあぁん… ごめん、葵~

まさか こんなに怒るとは…

謝るにも 喋れないよ~



「 椿!!」

「 はいっ… ごめんなさいっ 」

「 説明は? ごめんなさいの説明は?」


え… それはつまり、いなくなった理由を言えと?

葵、怒ると別人~…



間近する距離で頭の上から おもいきり怒られた私は シュンと小さくなる思いだった。


「 …絵茉さん?あの子 葵にベタベタして離れないし、葵も 拒否らないし、なんかムカついて… もう いいやってなって… 」

「 絵茉は、親戚だ。単なる身内。幼馴染みみたいなもんだ… 拒否らなかったのは 呆れて引き剥がしても 逆効果ってわかってたからだ、椿がいるからよけいにな… 」


あ… そうなんだ。

確かに、わざと くっつきたくはなるもんだよね、そういうのって…

でも、嫌だった…



「 葵は、私が好き?」

「 あ、当たり前だろっ 」


そっか。

えへへ… 良かったぁ。
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