お隣さんと内緒の恋話
私と香伊羅、笑里は柚奈の話を黙って聞いていた。
「 心配かけてごめんね、ほんとに…」
そんなのいいよ、柚奈。
「 …ねぇ 突然だけど、私も好きな人いるけど 見込みないってわかってても 好きってどう?」
ん? 笑里…?
いきなり話し出した笑里に、私だけでなく 香伊羅も柚奈もキョトンとしてしまった。
香伊羅は笑里の言ったことを聞き返す。
「 笑里、その好きな人は 誰?」
笑里の好きな人… 好きな人……
あ!
「 玲音だけど 」
やっぱり。そうだ、玲音だよ…
「 え… ええっ 玲音ー!!」
香伊羅と柚奈は驚き過ぎて発狂に近かった。
「 でも玲音は椿が好きなの 」
ちょっと 笑里っ
「 嘘、やだマジで!?嘘~ 」
私を見る香伊羅と柚奈に私は苦笑するしかなかった。
私には何も言えない。
私は葵が好きだから。
ふと笑里の視線が香伊羅に向き、私も柚奈も なんとなく同じように見る。
「 な、なによ… 」
「 香伊羅さぁ 好きな人いる?」
あ、それ私も知りたいかも。
香伊羅って、ちょっと謎っぽいとこあるから 知りたいよ。
「 私はっ… いない、よ? 」
お、今 嘘ついたんじゃない?
「 っていうか、私より今は柚奈でしょ!」
そうだけど、気になる…
気にしても答えてはくれないだろう香伊羅をそのままにし、柚奈の方に話を向ける。
「 柚奈、明日から平気?同じクラスだし 」
「 どうかな… でも平気でいたいから、なんとかなるよ。それに、振り返ると辛いから、頑張って前向くよ 」
柚奈… うん、がんばれ!