お隣さんと内緒の恋話
葵がココアを入れてくれている時、私の携帯が鳴る。
きっと柚奈だろうと、葵と視線を交わして電話に出てみる。
「 柚奈?」
『 うん、もう 大丈夫、話したよ 』
はあ… 良かったぁ
「 で、壮真は?まだ 一緒にいるの?」
『 うん、いる… 』
あ、いるんだ…
ん~ どうしよう、ケンカになった感じはしないし、まだ一緒にいたいだろうし…
私は私で 葵とココア飲みたいし。
「 椿、二人呼べば、ここに 」
え…
呼んじゃうの? マジで…
葵と二人がいいけど、葵がそう言うなら いいのかな…
私のそばで葵が言った事を 柚奈に伝えて電話を切る。
「 葵、いいの?」
二人の時間 終わりだけど…
「 いいよ。あの二人がどんな話したか気になるだろ? それに、揉めてないなら 風見が揺らがないようにしてやるのも必要なんじゃないか?
明日になれば気持ち変わるかもしれないだろ 」
葵… 何歳? 同い年だよね?
私の彼氏は なんて 彼女の友達にまで優しいのよ~
「 葵、ありがと。あ、でもさ… 私と葵の時間が終わっちゃうけど…」
「 なに、椿… 俺と二人きりが良かった?」
う… そりゃあ、葵とラブラブ?したかったよ。
「 椿… 意外と欲あるんだな 」
んなっ!?
欲って、そんなんじゃないもん!
不意に忍び寄る葵に対して 視線を泳がせ後ずさりする私。
「 なんで逃げる?」
「 え~ 逃げて、ないよ?」
逃げてなんか… あははは。
だって、変なドキドキするんだもん。