お隣さんと内緒の恋話
葵から逃げるはずもなく、しっかり葵の腕に捕まった私。
「 葵?」
私に笑みを見せる葵が唇を近づけてくる。
私は葵に合わせて目を閉じる。
重なる互いの唇。
そしてインターホンが鳴り 互いに目を開ける。
このタイミングは… 雅くん?
「 見てくる 」
葵が玄関に行くと、いたのは雅ではなく柚奈と壮真だった。
「 椿、ごめん、邪魔しちゃった?」
「 柚奈… 」
邪魔じゃないけど、呼んだの忘れてた。
「 上山ん家かぁ 案外 普通だよな~ 」
壮真、ここ普通にアパートだから。
「 風見、玉木 ココアは?」
「 私もらう、壮真は?」
「 ココアよりコーラは?」
壮真ってば、葵がココアって言ってんのに…
「 悪い、コーラない。俺あんま飲まないから 」
「 マジか… じゃ、ココアもらうよ 」
壮真は葵についていきキッチンへ。
柚奈は私のそばに来て座り、柚奈が壮真との事を話してくれる。
私が見る限り、二人に険悪な感じは見られない。
「 椿、壮真にちゃんと好きって言ったよ、やり直したいって…」
「 そっか。壮真なんて返事したの?」
加純って子はどうするんだろ…
「 加純さんには話すって言ってたよ、今すぐ別れるわけにはいかないと思う…
私、もう よそ見しないで壮真を待つよ 」
柚奈…
「 うん、やり直せるよ、壮真と。だから、壮真を信じて待とう 」
安堵する柚奈の笑みに 私はホッとした。