お隣さんと内緒の恋話
雅が窓を閉めないままデパート駐車場の屋上下に車を停める。
やっと窓を閉めてくれた雅が私を見る。
「 寒っ、椿ちゃん よく我慢できたね 」
よく言うよ~ 閉めてくんなかったくせにっ
なんて意地悪!! 最悪だよ、寒い!
手を擦ったり 握りしめたり、血の巡りをよくするために動かすが感覚が鈍く ただ寒くてたまらない。
ダメだ、かじかんでる…
って、暖房つけてないんじゃないの?
「 雅くん、暖房つけ… て… 」
言いながら暖房のボタンに指を伸ばすと、手ごと 雅が掴み握った。
そのまま私の手は雅にゆっくり引き寄せれ 右手は雅の両手に包み込まれた。
あったかい手…
驚きと同時に感じた手の温もり。
動けなかった。
「 …椿ちゃんが悪いんだぞ?俺を責めるから 」
は…?
責めるって、柚奈の事?
「 気にしてないって 言ったじゃない、それに今の… もしかして、仕返し?」
そんな子供じみた事するかな、教師が。
いやいや、雅くんだよ?
葵とは違う…
「 ん~ 仕返し成功だな 」
「 あっさり認めるな!ほんと寒すぎて まだ震えが止まんないの、わかる? なにも全開にしなく… 」
ても?いいじゃない…
なんで、なんで なんで!?
「 椿…… 」
雅くん、変だよ…
なんで抱きしめるの……