お隣さんと内緒の恋話

雅の行動には時々 参る。


今 抱きしめてるのは 寒いから?

どさくさ紛れの下心?

あり得ないけど 私を好き?

それとも ただのエロ?



「 雅くん… あの、どうして… 」



前にも、こんな風にされる事はあった。

その時に 意味なんて考えなかった。


「 君は… なんで俺を選ばなかった? 葵のそばにいる俺を、なんで…」



君はって… ええ、雅くん やっぱ 変…



「 なんでって、雅くんは先生だから… 」


それに、私は 葵に惹かれたから。


「 あの… 雅くん 離して?」

「 嫌だって言ったら?」


え… 困る、あったかいけど…


「 せっかくだから ちゃんと暖まるまでは このままね 」


えっ! それはちょっと… ダメじゃん!



雅は ふざけているのか 私を離さない。

いつも適当に交わして肝心な事がない雅に戸惑うばかり。



「 雅くん!こんなとこ 学校の子にでも見られたらどうすんのよっ
雅くんは先生だよ?わかってる?」

「 わかってる、わかってる。は~ あったまるな、椿ちゃんは 」


和まないで!


お隣さんになってから 先生なのに先生を感じず友達感覚。

それが少しずつ教師と生徒の境界線、すでに薄くなった境界線は雅と私として なくなってきている。


「 椿ちゃん、今日は満月だよ、願い事はある?」



満月… 願い事?

満月って願い事する日だっけ?


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