お隣さんと内緒の恋話

いきなりカーテンが開き、葵が携帯片手に立っていた。

驚いて声が出ない私に、葵はカーテンを閉めてベッドに腰かける。



「 先生ならいないよ、ここにいるのは玉木から聞いた。ラブるなら今のうちってな 」


おバカ、柚奈!!

ほんとに、バカ~



「 葵、あのね… 私 その… あ、パン!バジルの食べたの、今さっき、おいしかった 」


スムーズに話せず、喉が乾いてしまい、唾を飲み込む。


「 あれ、うまいだろ。ほら、飲んで 」


あ、緑茶…

そういえば 前もこんな事あったなぁ

やだ、泣けそうっ

あの時も 緑茶のパックくれたんだっけ。



「 椿… 」

「 ん? 」

「 聞いたよ、雅から… 昨日、キスしたことも 」


葵…


私は葵の顔が見れず、葵のそばから離れようとしたが、背を向けた瞬間 お腹回りから抱きしめられた。


「 離れんな! …椿、雅なら気にするな。俺がいる、雅には渡さない… 絶対に。
雅がキスしたなら 忘れるまで消毒してやる、俺がずっと椿にキスする!忘れろ 」

「 ごめん、葵… ごめんね… 」

「 いいから、忘れろ… 俺だけ見てればいい 」



葵……

これでナシなんて無理、せめて、少しくらい責めてくれたら…


「 葵は? 平気なの? なんで責めないの… 私…自分が許せないよっ 」

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