お隣さんと内緒の恋話

雅くんって 普通に自意識過剰だよね…


「 雅くん 自分ん家なんだし 早く入ってきたら?」

「 椿ちゃん… つまらないな 」


はぁ?おもしろくなくていいんです!


雅が部屋に入ってくると、葵がいないことに私を見る。


「 葵なら買い物行ってます、聖奈さんと 」


早く帰って来いってのよ。


「 聖奈… 今、聖奈って言ったか?」

「 はい、伊藤 聖奈さん。雅くんの知り合…」


知り合いでしょ? そう言おうと思ったが、雅が話す私を睨むようにして見たため 最後まで口に出来なかった。


なに、怖い顔して…


「 椿ちゃん、聖奈に会ったのか?」

「 はい、ここに訪ねてきて… 葵と公園にいったら会って… あ、あと 私のおばぁちゃんから電話で夜出掛けていないから夕飯は自分でって言われて、そしたら聖奈さんが作るって 今 葵と買い物に…」

「 ……はぁ。」


はぁって、なんのため息ですか!

嬉しくないのかな?聖奈さんが来たのに…


ネクタイを緩めながら 部屋に入っていく雅を私は見ているしかなく、雅はしばらく部屋から出て来なかった。


…だから、なんで私一人になるわけ!?

兄弟そろって同じことして~


私は雅の部屋の前に立ち、ドアをノックした。

「 雅くん?緑茶でも入れようか?」


返事はない。


無視ってか?

可愛い女の子がここにいるのに、弟の彼女がここにいるのに?


もう一度ノックした後 やはり返事はなく、私はリビングに戻ろうとした時だった。

カチャっとドアが開いた。


「 雅く…… って、なんで服着てないのっ 」

「 ジーパン履いてるだろ 」


うん、確かに… じゃなーい!


「 雅くんは仮にも先生なんだから生徒の前で上半身裸はどうかと思いますけど!?」

「 仮にもって… 今の俺は 先生じゃないな、ただの男、雅だ 」


イケメン雅が上半身 裸に 妖しくも大人の色香を私に見せる。

ドキドキしないわけにはいかない。

私に近づき 顎をクイッと人差し指で上げる雅に、ドキドキが増してしまう。


「 椿ちゃん、俺がオオカミなら… 君は食べられちゃう運命にある。どうする?」


な… 何を言ってるの…

雅くん?

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