アサガオを君へ
そして制服をつかむ。


その瞬間、どうしようもない自分自身への怒りが湧き上がった。


私は私が大嫌いだ。


誰よりも貪欲のくせに、誰よりも遠慮ばかり。


汚くて最低でわがままで。


何で私はこんなにも愚かなんだろう。


私は夏樹の制服を掴むことしかできない。


それ以上を踏み出せない。


本当は、思い切り夏樹に抱きつきたい。


できない。


きっと抱きついてしまえば、今安心できる。


でもそれ以上に知りたく無い現実を目の当たりにすることになるんだ。


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