アサガオを君へ
今年も赤点は数学だけ!


どうもこの高校の数学の先生とは相性が悪いみたい。


頑張っても頑張っても毎回、赤点ギリギリか赤点かのどっちかだ。


私はチラッと斜め前の夏樹の席を見る。


本人のいない机には、無防備にテスト結果だけが仰向けに放置されていた。


夏樹は朝から保健室にこもっている。


だから、さっき、先生にテスト結果を机の上に置かれていた。


裏を向けて置かれたテストの結果は見えないけど、多分赤点はないんじゃないかと思う。


どうにか夏樹のテストの結果が見えないかと、下から覗き込む態勢を取っていると後ろから肩を突かれた。


ノンちゃんだ。


私は耳だけ傾けるようにして言った。


「どしたの?」


「宮野くんのテスト結果に夢中のところ悪いけど、少しは私のテストの結果にも興味持ってよね。今回はココに勉強教えてもらってうけたんだから」


そうだった。


私は視線も後ろに移した。


飛び込んできた数字の羅列の中に、赤い数字は2つしかない。
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