ヒスイ巫女4

ヒスイは晃に頼まれ買い物にでかけていた。
ヒスイは顔が隠れるような帽子をかぶっていた。
なぜなら魔女狩りは女性で通報があったら執行するというふうに理不尽だったからだ。
ヒスイは嘘でも美人でないとはいえないので、顔を隠し、因縁から通報されないようにしていた。
荷物の量がかなり多いので男手として拓歩と健人を連れてきていた。
そして帰り道。
｢ヒスイお姉ちゃん、僕が持ってあげるよ。｣
｢え、でも重いよ大丈夫？健人くん？｣
｢大丈夫！力持ちだから｣
ヒスイの持っていた荷物を健人に渡した。
すると健人の腕に乗った荷物が腕をあげさせなかった。
さすがに重かったらしい。でも健人は意地でもヒスイに返すのが嫌だった。
なので
｢拓歩お兄ちゃんあげる｣
｢いらねぇよ！｣
拓歩の鋭いツッコミ。
そんな様子を見て、ヒスイは拓歩が最初持っていた荷物を健人に渡し
｢これを持ってくれる健人？｣
と言った。
健人は笑顔で
｢もちろん！｣
と言った。
つられてヒスイも笑顔になる。
｢拓歩もこれでいい？｣
｢いいよ。俺、健人より年上だから｣
なんだか実のお兄ちゃんのようなセリフである。
健人は早く帰ろと急かしてくる。
ハイハイと言いながら健人のあとを２人が追いかけていった。
風が強く吹いた。
ヒスイの帽子がとんだ。
すると焦ったように健人と拓歩はヒスイを走らした。
教会の中に入りやっと走るのを止めた。
｢はぁはぁどうしたの？２人とも｣
｢だって顔見られちゃいけないんだろ。晃お兄ちゃんが言ってた。｣
なにやら晃がこの２人に絶対にヒスイの顔を外で見せてはいけないと言われていたようだ。
｢大丈夫だよ。安心して｣
ヒスイがあやすように２人の頭をなでた。
だが慌てた様子の３人を見て町の人には噂が流れていた。