ヒスイ巫女4

ヒスイが連れてこられた先は処刑所ではなかった。
ここは貴族の住まう家。
きらびやかに塗装された壁は紅色に染まり、目を奪うものであった。
室内は金色になっており、外と世界が断裂されているかのように別次元であった。
ヒスイは見とれながらも最上階まで連れていかれた。
そこには身分の高いと思われる晃と同じ年齢らしきな男性がいた。
｢お初にお目にかかる。ヒスイ殿。｣
話し方から貴族だとわかる。
｢私に何か御用でしょうか？琉生（るき）様｣
明らか不機嫌に話すヒスイに
琉生は笑顔のまま近づいた。
バシッ
ヒスイの頬に衝撃がはしった。
平手打ちを受けたと理解した時にはみぞおちに蹴りが入っていた。
咳き込むがまだ攻撃は続く。
肩を蹴られ手を縛られている状態なのでその場に倒れた。
そこに何度も足が降ってくる。
｢下等のくせにおれに生意気な口をききやがって。下等のくに！｣
そういいながら攻撃は続く。
ヒスイは蹴られながらも琉生を睨んでいた。
攻撃が終わり、足が止まった。
｢お前は町民に通報された魔女は非常に美しいと言われるだからお前は魔女だということだ。だがお前は魔女の中でもずば抜けて美しい。俺の権力を使えば魔女という罪を無くすことが出来る。お前は俺の愛人となるのだ。｣
堂々と自慢げにいう琉生にヒスイは変わらず睨み続けていた。
｢私は…あんたなんかの愛人にならない！｣
そういうと琉生は不機嫌そうな顔になり、こう続けた。
｢お前のいた孤児院だったけなあそこには死にかけの老人と孤児たちがいるそうじゃないか｣
そこまでいうとあとは分かるだろうとニヤッと笑った。
｢あそこに！あそこの人たちに手を出したら許さない！！｣
ヒスイは強い口調と目線で琉生に意見した。
それを見て琉生は満足そうに笑った。
｢やることはわかったようだな。｣
｢お前はズルイ！｣
｢お前…？｣
ニヤニヤと笑いながらヒスイに言った。
逆らったり自分を不快にさせると孤児院を狙うという警告だ。
ヒスイは悔しそうに
｢琉生様…これからよろしくお願い致します…｣
｢よろしい、ではヒスイこれからはわれのために一生を尽くすのだ。｣
｢…はい｣
ヒスイは孤児院の人たちを守るために自分を売った。
だがそんなことを孤児院の人たちは気付かずにいた。
｢ヒスイお姉ちゃんいつ帰ってくるのかな？｣