ヒスイ巫女4

子供達

「蓮君！」
「スイかどうした？」
スイは走って蓮に近づいた。
だけれどもスイは走り切る事が出来ない。
その場でしゃがんでしまった。
「スイ大丈夫か？医療室行くか？」
「大丈夫だよ。薬飲めば治るから」
スイはカバンからカプセルを出し飲んだ。
つらくなくなったらしくスイは蓮に笑顔を向けた。
｢え、蓮君!!｣
蓮はスイを抱きかかえた。
スイを日陰のあるところまで運ぶとおろした。
｢あ、ありがとう｣
｢どういたしまして｣
蓮はスイの頭をなでた。
蓮とスイの年の差は5歳差
２人は巫女の国の後継者。まだ政略結婚の文化がある巫女の国では２人が結婚する可能性はいくらでもある。
だがそれ以上に２人は結婚してほしいと周りが願っていた。
[第二のバカップル]
もちろん第一は蒼とヒスイである。
それほどまでに普通の行動がカップルのようでそれが無意識なのがまた罪な所。
｢ねぇ、蓮君？｣
｢ん？なんだ？｣
｢蓮君って好きな人いる？｣
｢好きな人か…いるよ｣
｢誰？誰？｣
スイは興味津々というふうに身を乗り出して聞いた。
蓮はスイに指を指した。
｢お前｣
スイはすぐに笑顔になって
｢私も蓮君の事好きだよ。｣
その笑顔のまま言った。
２人ともニコニコ笑いながら会話していた。
その２人の後ろに怪しい影
その影は凛音と空であった。
｢なぁ、あいつらなぜあんな恥ずかしい事サラサラ言えてるんだろう｣
｢さぁ、でも２人とも本心だね。｣
｢｢許さない｣」
２人から殺気が溢れていた。
｢｢許さない、蓮｣｣
２人はスイが可愛くて仕方がないクラブ
つまり
｢スイ大好きクラブ」の部長と副部長なのだ。
という事で、
蓮はいつも実の妹と実の従兄弟に呪われていたとは本人は知らない。