【完】幼なじみのあいつ


「俺と付き合え」


「………」



えっと…、


どう答えればいいのかな?




どこに?


でいいのだろうか?




まさか付き合うって男女の付き合うとか、そう言う事じゃないよね?


だって命令だし---




「…ど、どこに?」


よく分からないから、やっぱり聞いてしまった。


そしたら眉を寄せられ、ムッとされてしまう。




「…お前、バカ?」


「どこがよ?」



「付き合えっつったら…、付き合うっつー事だろ?」


「だからどこにって、聞いてるんでしょ?」



私の言葉のどこが気に入らないのか、眉間にシワを寄せながら頭をボリボリと掻き始める翔ちゃんに何を言ったらいいのか分からない。


頭を掻いていた手を止めた翔ちゃんが、ボールを投げ捨て私に向かって歩いてくる。




まさか、怒ってる?


怖い顔をした翔ちゃんが、私の目の前で立ち止まった。




えっと?


首を傾げようとしたところで、翔ちゃんが動く。




「………ッ!!!」


「…こういう事だ」



私の呼吸が一瞬、止まる。


フワリと空気が動いた時には翔ちゃんの手が腰にまわり、私を抱きしめてきたのだ。




な、何が一体、どうなってるの?



翔ちゃんの胸に顔を埋める形で固まる私は、今だ私をしっかりと抱きしめている翔ちゃんが一向に動く事なく沈黙を保ったまま。



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