【完】幼なじみのあいつ
「…鈴、何があった?」
「何がって?」
頭を撫でてくれていた、亮ちゃんの手が止まる。
頭がくらくらするからかなかなか思考が定まらなくて、亮ちゃんの問いの意味が分からない。
「……昨日、泣いただろう?鈴」
その言葉でまた、昨日の翔ちゃんのキスシーンが蘇る---
何でまた、思い出させるのよ?
思い出したくもない事を思い出させる亮ちゃんに、イライラして背中を向けた。
「…なにもないよ」
亮ちゃんが黙り込んでしまい、部屋が静まり返る。
何か、考えているのだろうか?
出来ればもう、その事については触れては欲しくない。
しばらくして、ベットが揺れた。
背中越しに亮ちゃんの気配を感じる。
え?
何でベットに座ったの?
振り返ろうとした瞬間、温かく大きなものに身体が包まれた。
見なくても分かる。
亮ちゃんが、私を後ろから抱きしめているんだ---