氷のまなざしの向かう先




「そうやってその瞳に俺を映し、考えていればいい。

他のものに目移りするな」



やっと…やっと手に入る。


あのときから欲しいと渇望していた君が。




「湯佐 真鶴、君は俺の獲物だ。捕まえたら最後、俺は君を離さない。

逃げたら地のはてまで追って、


―――喰いちぎってやる」




そう宣言して、俺は湯佐の唇に噛みついた。


初めて触れたそれは柔らかく、極上の甘さ。


呆気にとられている間に舌を捩じ込むと、抵抗を示したものの微々たるもの。


逆に煽られ、征服欲が増すというのが分からないのだろうか。


だが、そんな愚かしいところがまた愛おしい。



「んっ…ふ、ぅ……、っ」



羞恥か苦しさか、大きな瞳に涙を浮かべる湯佐を見つめ、俺は更にその唇を貪った。





最後まで、自分が獲物だと気がつかなかった小さな子栗鼠


知らぬままに厳重に、そして確実に回りを囲まれ


狩人はそのために様々な罠を巡らせた



小さな子栗鼠は、もはや逃げることのできない籠の中


狩りの勝者である狩人に愛でられる運命だったのだ








Fin.





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