ツレない彼の愛し方【番外編追加】


「少し遅れるってこう言うことかぁ!」

わざと亮介を煽ってニヤニヤと笑う。
早瀬があきれ顔をしているけど気にしない。



「ふん」

弟は憎たらしい返事しかしない。
まるで宝物を取られたくないように彼女を自分の後ろに隠す。


「ちゃんと紹介しなさいよ、亮介!」

亮介が話さないなら彼女に聞いちゃおう!



「初めまして。亮介の姉の響です。」

あ、彼女、キョドってる。可愛い〜!
とうとう観念したのか、焦って亮介が紹介し始めた。



「夏希さん、例の姉貴です」

"例の"って何?



「そして旦那さんの早瀬隆之介さん。
僕、隆之介さんのデザイン会社を手伝ってるんですよ。」

ほっほー、ちょっとちょっと完全に彼女にほの字でしょ、亮介。
そして、なぜ私のことは無視!?


「ちょっと、なんで姉を通り越して旦那の紹介が先なのよ」

隣で早瀬がフッと笑ってる。


「この子ね、実の姉よりこっちに懐いちゃってて嫌な感じなのよ。えっと…夏希さんだっけ?」

さっき亮介が彼女の名前を呼んでいたのをしっかりとインプット。


< 123 / 139 >

この作品をシェア

pagetop