ツレない彼の愛し方【番外編追加】
月曜日。
あんな事があって朽木くんと顔を合わせづらいな。
少し早めに出社しよう。
とエレベーターを待ってると7階から下りてきたエレベーターには早瀬が乗っていた。
一瞬、顔が引きつる。
「...おはようございます」
「おはよう」
朝から良い声だ。
「早いですね?」
「永野が朝イチで承認して欲しい書類があると出社して待ってる。」
普通だ。
飲み会の帰り、早瀬も同じタクシーに乗ったと思ったのだけど、どうしてあんな事になっていたんだろう。
とその時、
エレベーターのドアが閉まる瞬間、朽木くんがドアを手で割ってエレベーターに乗りんで来た。
「あっ、すみません。おはようございます。」
「おう」
「おはよう」
早瀬と同時に挨拶を返す。
数秒後、朽木くんは思い出したかのようにカバンから腕時計を出した。
私の腕時計...
「響さん、忘れ物ですよ。ベッドの横に置いてありました」
!!!!!!!!!!!!!
一瞬、早瀬の目が見開く。
「あ、え、ありがとう。えっと、金曜日、私、カギをなくしちゃったみたいで、
でもカバンの奥にあったんですけど・・・酔っぱらってみつけられなくて、
送ってくれた朽木くんが玄関であたふたしている私をかわいそうだと思ったみたいで、酔ってるし・・・家に入れないって。
仕方なく、朽木くん家に入れてくれたみたいなんです。
でも何もなくて…朝、起きたらビックリして…」
スゴい早口になってる。
冷や汗が出て来る程、慌ててる。
そんな言い訳じみた言葉を並べてるうちに1階に着いてしまった。
「どうでもいい。」
早瀬は顔色ひとつ変えず、ひと言だけ言って、エレベーターを降りて行った。
どうでも・・・いい。…か。
そのひと言に響の胸はズキンと痛んだ。
そっか、どうでもイイんだ。
早瀬にとって私の存在は恋人でもなんでもないんだから。