ツレない彼の愛し方【番外編追加】


何を言ってるのか理解できなかった。
固まっている私を見て目尻を下げた早瀬はもう一度いう。


「響を...抱きたい」



「えっ...それはどういうことでしょうか?」


やっと理解して、本気でビックリした。
何の冗談かと思って、私はヘラヘラと笑いながら「はい、はい!」と軽くあしらった。


と、突然、早瀬が私の腕を掴みグッと引き寄せる。
早瀬の瞳が私の目を捉えて離さない。

真剣だ。

更に腕の力が強くなり、そのまま唇を奪われた。
最初はそっと重ねるだけのくちづけ。
何度も何度も角度を変えて、私の気持ちを揺さぶる。

更に早瀬の舌が私の唇を割って入って来て舌を絡めてくる。
私は呼吸をすることすら忘れかけ、息苦しくなる。


「息をしろ」


重ねられていた唇が放され、早瀬の唇だけが耳たぶから首すじへと移動していく。
驚いて声も出せず、息も絶え絶えの私をチラっと見た早瀬は私を抱きかかえベッドへと移動する。


仰向けになった私の上で、早瀬のキレイな顔が私を見下ろしている。
仕事中に見せる上司の顔ではない。切羽詰まったような、せつない顔。
色っぽく濡れたくちびると、艶っぽく潤んだ瞳。


初めてみる男としての早瀬は、ゾクゾクしてしまう。
この時、このまま流されて、早瀬に身を委ねてしまっても後悔しないと思った。
だから許してしまった。



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