8月の雪


「じゃあ俺、ライブの準備あるから…」

「お〜じゃあな!
あっ見に」

「来なくていいから」


早々と律の言葉を消して、俺は急いで軽音の部室へと足を運んだ。






一ガチャ


「おせえよ、主役。
お前が来なきゃ、始んねぇだろ」

「とりあえず、流先輩は陸部ですよね」


とりあえず、流先輩にツッコミを入れて、俺は空いている席に座った。


「穂高…大体のことは流から聞いたよ。」


流先輩を押しのけて、部長の




加積 仁《カヅミ ジン》さんが、


黒ぶちの眼鏡を外しながら、俺を見てくる。


「あっ嫌ならいいで」

「そんな面白いことやるっきゃないだろ〜」


予想外の返答に、俺は呆気に取られた。


真面目そうな顔して、加積さんは以外に好奇心おうせいだ。


「じゃあ、決まりだな」


何かこれ以上のことを企んでいそうな流先輩の笑顔で、作戦を実行に移した。




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