サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
大切なもの。

よく見ると佐藤君、高瀬君と篠田君まで
居るではないか。

えっ?どうして…?

「うーん。拓馬……お腹空いた」

睦月君が寝ぼけながら目を覚ました。

「ったく、ほらお前の弁当だ。
咲良ちゃんが心配で様子を見に行くのは、いいが
何で一緒になって屋上で寝てんだよ!?
保健室に行ったり
先生に言い訳を考えるこっちの身にもなれよ」

ブツブツと言いながら弁当を渡す金本君。

あっ!?そうだった…
私、授業をサボっちゃったんだ!?

「あの……すみません。
今、何時間目なんですか?」

慌てて尋ねた。

すると佐藤君が
「もうお昼休みだぜ」と教えてくれた。

えぇっー!!?

私どれだけサボっちゃったのだろうか。

どうしよう……先生に怒られちゃう。
オロオロと泣きたい気分になる。

すると金本君が

「心配しなくても体調不良と言ってあるから大丈夫。
睦月は、保健室まで送って行ったと
言っておいたが……。
あまりにも遅いから
怒られる覚悟はしておけ……っておい。
俺のを真っ先に食うな!?」

慌ててツッコんでいた。

見てみるとすでに
弁当を食べ始めている睦月君だった。

その弁当って……もしかしなくても金本君の?

慌てて自分の弁当を取り返す金本君。

「ったく、お前は……相変わらず
油断も隙もあったもんじゃねぇ。
とにかく、咲良ちゃん。
クラスの奴らは、俺が一喝しておいたから
教室に戻ってもあれ以上に言う奴は、
いないと思うぜ。女子は、分からんが」

えっ……?

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