海恋
「咲良?
どこ行くの?」
話をしようと思ったのか、後ろに振り向いた陸くんが不思議そうな顔をした。
「ごめん、あたし行かなきゃ」
そう言って、あたしはバッと教室を飛び出した。
向かう先は、1-A。
階段を駆け上がり、息を切らしたあたしが今いるのは、【1-A】の教室前。
近くにいた女の子に声を掛け、七海に放課後屋上に来てと伝えてと言った。
快く頷いて引き受けてくれた女の子にお礼を言うと、自分の教室に戻って来た。
教室に戻り席に着くと、机に大きな影が止まった。
「…陸くん」
頭を上げると、陸くんが真顔であたしを見下ろしていた。
「どうしたの…?」