海恋
佐武先生は、20代後半か30代前半っぽい、若々しい男の先生だった。
優しそうな先生で、良かった。
「じゃ貝橋さん、教室へ案内するさ」
佐武先生がそう言い、あたしは校長室を後にした。
教室に着くと、先生は先に入り、転校生の報告をしている。
廊下で待っていると、教室の扉が開き、『入って良いさ』と言われた。
教室に入ると、約25人余りの人が、一気にあたしに注目する。
教卓の前に立たされ、『自己紹介ゆたしく』と佐武先生に言われた。
ちょっと、緊張するな。
これだけ大勢に一斉に見られると。
「は、初めまして。
貝橋咲良です。
東京から引っ越して来ました。
これから、宜しくお願いします」